国民の35〜45%、約3000万人が高血圧患者といわれ、症例数が最も多い生活習慣病です。
にもかかわらず、分っているようで、意外と
正しい血圧の知識を持っている人は少ないと感じます。
まずは基本的なところから説明しましょう。
心臓はポンプのように、絶えず収縮と拡張を繰り返し、全身の血液を循環させています。
心臓が縮んで血液を全身へ送り出すとき、動脈の内壁にかかる圧力を
収縮期血圧(最高血圧)といいます。
逆に心臓が開いて血液が戻るときの圧力は
拡張期血圧(最低血圧)といい、この2つの数値で血圧を表現しています。
両方とも高い人、最高血圧だけが高い人、最低血圧だけ高い人もいますが、
いずれの場合も高血圧症として注意が必要です。
高血圧と診断される基準は、最高血圧が140mmHg以上、
最低血圧は90mmHg以上が目安とされます。
これは安静にした状態で、座って血圧を測ったときです。
立ったとき、寝たときでは血圧が変わるので、実際の治療では
いろんな姿勢で測定することもあります。
よく貧血の患者さんから、「血が少ないので低血圧なのでしょうか」
と質問されます。
しかし、血液の量だけで血圧が決まる訳ではありません。

上の図に示したように、4つの因子が複雑にからみあって、
血圧が高くなったり、低くなったりしているのです。